2024.01.29
コラム
2024.01.29
住宅ローンやリースバックは、どちらもマイホームを購入するための方法です。しかし、それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが自分に合っているかは、個人の状況やニーズによって異なります。今回はこれらの違いについて説明していきます。
目次
住宅ローンは多くの人が住宅を購入する際に利用する金融商品です。基本的には、購入した不動産を担保として金融機関から融資を受け、定められた契約に基づいて返済する制度です。
ここからは住宅ローンの特徴や仕組みについて解説していきます。
住宅ローンは、金融機関から借りたお金に利子がつく仕組みです。利子の額は、借入金額と借入期間によって決まります。
たとえば、借入金額3,000万円、金利2%、返済期間35年の場合、毎月の返済額は99,378円、利子の総額は11,738,968円、総返済額は41,738,968円となります。
つまり、借入金額の約39%が利子の支払いに充てられることになります。利子の支払いは、家計の負担となるため、住宅ローンを借りる際には、返済期間を短くしたり、金利を低くしたりすることで、利子の支払いを抑えることができます。
また、住宅ローンには、返済期間中に返済額を増額できる「繰り上げ返済」という制度があります。繰り上げ返済をすることで、利子の支払いをさらに抑えることができます。
住宅ローンを借りる際には、利子の支払いをしっかりと理解し、無理のない返済プランを立てることが大切です。
住宅ローンは、金融機関や公的機関などさまざまなところで取り扱われています。住宅ローンの種類や金利、審査条件などは、借入先によって異なるため、比較検討して自分に合ったものを選ぶことが大切です。
民間融資は、銀行やネット銀行、信用金庫などが取り扱っています。金利やプラン、サービスが豊富で、選択肢が多いのが特徴です。ただし、審査に通らなければ借り入れできません。
財形住宅融資は、会社員や公務員が勤務先を通して利用できる住宅ローンです。融資手数料や保証料が不要で、有利に借り入れできる場合があります。ただし、勤務先が財形住宅融資を取り扱っている必要があります。
フラット35は、住宅金融支援機構が提供する住宅ローンです。全期間固定金利で利用できるのが特徴です。金利変動リスクを抑えることができるので、長期間の返済を予定している人にオススメです。ただし、民間融資に比べて金利水準は高めです。
自治体融資は、各自治体が実施している住宅ローンです。金利水準が低く、審査基準が厳しくない傾向にあります。ただし、自治体によって金利や融資条件が異なるため、事前に確認が必要です。
住宅ローンは、数千万円単位の借入金と長期間の返済が必要なため、金融機関は慎重に審査を行います。住宅ローンの審査は、大きく分けて「事前審査」と「本審査」の2段階で行われます。
事前審査では、申込者の基本情報や収入、借入希望額などを審査し、融資が可能かどうかを判断します。事前審査に通過すると、本審査に進むことができます。
本審査では、事前審査の結果に加えて、申込者の信用情報や購入物件の評価など、より詳細な審査が行われます。本審査に通過すると、融資が決定されます。
住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なりますが、主な審査項目は以下のとおりです。
住宅ローンの審査では、申込者の「返済能力」が最も重視されます。そのため、事前審査や本審査で審査に落ちないようにするためには、返済能力を示す資料を準備しておくことが大切です。具体的には、以下の資料があるとよいでしょう。
住宅ローンの審査は、金融機関が申込者の返済能力を判断するための重要なプロセスです。事前審査や本審査で審査に落ちないようにするためには、返済能力を示す資料を準備しておき、十分な準備をして臨むことが大切です。
住宅ローンの返済額は、物件の種類によって大きく異なります。国土交通省の調査によると、2023年度の住宅ローン返済額の平均は、以下のとおりです。
注文住宅は、他の物件に比べて価格が高いため、返済額も最も高くなります。リフォーム住宅は、既存の住宅を購入し、リフォームを行うため、価格が低く抑えられるため、返済額も最も低くなります。
住宅ローンの返済額は、借入金額と返済期間によって異なります。返済額が同じでも返済期間は短いほど、毎月の返済額が高くなります。また、土地の価格は地域によって異なるため、同じ物件でも地域によって返済額に差が生じることがあります。
住宅ローンを借りる際には、物件の種類や借入金額、返済期間、地域などを考慮して、無理のない返済計画を立てることが大切です。
住宅を購入する平均年齢は30~40歳です。新築物件は若い世代に人気があり、中古物件は高齢者に人気です。住宅ローンを借りるには団体信用生命保険への加入が必要です。健康であることは大切です。人々は働きながら借金を返済できるうちに買い物をする傾向があります。また、結婚や出産などライフステージの変化に合わせて購入する人もいます。定年までの返済期間を考慮し、早めの計画を立てることが大切です。
マイホームを購入したものの、景気の低迷や失業などの影響で、住宅ローンを払い続けられるか不安になる人も少なくありません。そんな時は「リースバック」を検討してみてはいかがでしょうか。
一般的に、住宅ローンが残っている物件は売却することができません。ただし、一定の条件を満たせばセール・リースバックを行えます。条件としては、リースの売却価格が住宅ローンの価格よりも高いことです。
例えば、住宅ローンの残債が2000万円で、売却価格が3500万円ならば、売却価格のほうが高額であるため、リースバックできる可能性は高いでしょう。リースバックをすることで、退居せずに住宅ローンの返済を続けられるため、大きなメリットとなります。
一方で、売却価格が住宅ローン残高を下回る場合には、売却やリースバックは難しくなります。その理由は、住宅ローンの契約書に「返済できなくなったら住宅を売却せざるを得なくなる」と明記されているからです。
ローン残高を超えて住宅が売れてしまうと、いざというときに現金がなくなってしまいます。これが、銀行がリースバックモデルを承認しない理由です。
住宅ローンの残債がある場合でもセール・リースバックには2つのメリットがあります。それぞれを詳しく見てみましょう。
リースバックをすると、自宅を売却して現金を手に入れることができます。この現金は、用途に制限がないため、まとまったお金が必要になった場合に役立ちます。
例えば、以下のケースで活用できます。
リースバックには審査がないため、事業資金を借りるのが難しい起業したての事業者でも、リースバックで資金を調達できます。また、売却代金は売買契約成立後1ヶ月ほどで支払われるため、急な資金需要にも対応できます。
リースバックをすると、自宅を売却しても住み続けられるため、引っ越しの手間や費用がかかりません。また、家が競売にかかることを防げるため、マイホームを手放さずに済みます。
リースバックをすることで、以下のようなメリットがあります。
住宅ローンが滞納すると、強制的に差し押さえられるまでの期間が短くなっていきます。そのため、リースバックを検討する場合は、できるだけ早く不動産会社に相談することをオススメします。
リースバックと不動産担保ローンの違いを、以下の3つのポイントに絞って説明します。
リースバックは、不動産を売却して賃貸借契約を結ぶ「不動産取引」です。一方、不動産担保ローンは、不動産を担保に融資を受ける「融資」です。
リースバックでは、契約時に所有権が売却先の不動産事業者に移転します。一方、不動産担保ローンでは、所有権は借り手である個人や法人が保有し続けます。
リースバックでは、家賃に金利相当分が含まれているため、金利は発生しません。一方、不動産担保ローンでは、毎月元本と金利を返済する必要があります。
これらの違いを踏まえて、リースバックと不動産担保ローンのメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。
どちらが良いかは、個人の状況やニーズによって異なります。リースバックと不動産担保ローンの違いを理解した上で、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
いかがでしょうか住宅ローンのメリットは、所有権を維持できること、金利が低い可能性があること、資金使途が自由なことなどです。デメリットは、審査が厳しい場合があること、毎月元本と金利を返済する必要があることです。
リースバックのメリットは、審査が比較的通りやすいこと、まとまった資金を一括で受け取れること、退去リスクが少ないことです。デメリットは、毎月家賃を支払う必要があること、所有権が移転することです。
どちらが良いかは、個人の状況やニーズによって異なります。住宅ローンを選ぶ場合は、返済能力や金利などを考慮して、無理のない返済計画を立てることが大切です。リースバックを選ぶ場合は、退去リスクや金利変動リスクなどを考慮して、自分に合ったプランを選ぶことが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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